解説

1990年代、全世界のキッズを熱狂させ、それまでのパンクの概念をひっくり返し、ファッションやカルチャー生きかたにまで影響を与えたポップパンク/メロコアの元祖!
そして、世界で最も愛されているパンクバンド!



全世界をパンクロックの波が浸食していた1978年、アメリカのカリフォルニアで結成されたハードコアパンクバンドDESCENDENTS(ディセンデンツ)。その後Voのマイロ・オーカーマンが学業に専念するため活動を休止しDAG NASTYのデイヴ・スモーリーをボーカリストに迎え、1987年に結成されたALL(オール)。New Alliance(Minutemenのレーベル)、SST,CRUZ(Black Flagのレーベル)、Epitaph(Bad Religionのレーベル)、Fat Wreck Chords(NOFXのレーベル)といったその名の羅列だけでも失神しそうなレーベルから数々の音源をリリース。現在では当たり前となったポップパンク、メロコア、スケートパンクの元祖として、ただポップなだけでなく変則的で難解な"ひねくれ"要素も特徴的なCRUZIAN POP PUNKというジャンルまで作り上げてしまった。さらにはパンクバンドには珍しくDESCENDENTS にはMILO、ALLにはALLROYという世界中で愛されているキャラクターがいる。今なお現役で世界中のパンクスに大きな影響を与え続けているカリフォルニアパンクの代表格だ。この2つのバンドの飾らない今の姿、貴重な過去の在籍メンバーや当時の周辺ミュージシャン、BLACK FLAGらUSハードコアの猛者たちからBLINK 182, FOO FIGHTERS, NOFXなどの大御所バンドメンバーたちの証言で、70年代末の西海岸パンク誕生~80年代のハードコア期~90年代以降のメロコア時代と実に35年以上という途方もない年月を生き抜くバンドDESCENDENTS/ALLの軌跡を辿る、ファン待望のドキュメンタリー映画が遂に誕生!活発に制作される音楽ドキュメンタリー映画の中でもいわゆる"ポップパンク/メロコア"を扱ったものはほぼ皆無、本作はそのジャンル、シーンを捉えた先駆け的な作品となる!彼らが居なかったら今では当たり前のメロディアスなパンクバンドは存在していない。ラブソングや趣味の釣り、大好物のコーヒーなど日常の何気ない生活を歌詞にしてパンクは何でもアリってことを示した先駆者なのだから。まずはDESCENDENTS/ALLを知らずには始まらない!

使用楽曲90曲!驚異の完成度とバンド愛に彩られた音楽ドキュメンタリーの集大成、遂に誕生!


監督は本作が初の劇場公開長編作品となったマット・リグル、ディードル・ラクーアのコンビ。ともにテキサスを本拠地として数えきれない作品の編集などを手掛けてきた映像編集マンであり、作家であり、ミュージシャンであり、そして何よりもパンクロック狂としてDESCENDENTS/ALLにのめり込んできた大ファン。2年以上におよんだ制作で資金、時間ともにすべて自力で念願の初監督作を完成させた。全米を旅しながらバンドを追いかけ、その熱意にビル・スティーヴンソンは30数年におよぶDESCENDENTS/ALLの個人的なアーカイヴ素材を提供、90曲にのぼった名曲の数々の使用楽曲も含めて、とても個人資金のみによる低予算・初監督作品とは思えない膨大な情報を盛り込んだ大作となった。一見シンプルな構成の中に様々な語り口が用意されている巧みな編集は、驚嘆のクオリティの高さで観る者を圧倒するはずだ。